ブラウン管の中の彼女
始まりは10年前。
僕と実早ちゃんが6歳の時だ。
当時の僕はそれは大変な人見知りで(今も大して変わらないけど)引っ越してきても友達ができなかった。
その僕に
「ゆ~うちゃん!!あ―そ―ぼ!!」
そう言って毎日話しかけてくれたのが実早ちゃんだった。
照れてすぐに柱に隠れる僕の手を引っ張ってくれて――…。
一緒に砂だらけになってよく遊んだっけ…。
小学校に上がっても家が隣同士だったこともあってよくお互いの家に遊びに行った。
心地いい空間だった――…。
実早ちゃんは明るくていつだって僕の手を引いてくれた。
それが変わったのは中学校にあがった時だった――…。