春待つ花のように
 テーラとロマにどんな関係があったというのだろうか。テーラが亡くなってから、ロマの性格が変わってしまったという。

 ロマの妻、レティアの我が侭も激化しているらしい。

「少し出かけてくる」

「答え出た?」

「ああ」

 ノアルは椅子に掛けてある上着を羽織ると家を飛び出していった。

 彼はすっきりした表情をしていた。どんな答えを出したとしても、ローラにはもう関係のないこと。

 カインには会えない。そう思うと涙が溢れてきた。














「どういうことよ! 私たちは聞いてないわ」

 アンジェラが怒鳴っても、カインは無表情のまま立っていた。

「なぜ、あの女を解放してるのよ。私たちのことがバレたらどうするの!」

「彼女は誰にも話さないでしょう」

「なぜそんなことがわかるのよ。あの女は酒場を切り盛りするような女よ。酒に酔ってつい…なんてあり得る話じゃない」

 アンジェラが思っている程、彼女は下品な女性ではない。そう言いたくなる。

 確かに生活のために酒場を経営しているかもしれないが、口が軽いわけでもないし、尻軽でもない。
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