春待つ花のように
 殺害計画に参加することを告げるとそう、カインが言った。

計画をたて実際に行動に移すのは、自分たちの仕事だと。計画が成功し、国を動かすようになったら、ノアルの出番がくる。

それまではカインたちの傍にいてくれるだけでいいという。

 本当にそれでいいのだろうか。確かに人を殺すという行為は自分に出来ることなのか、それはわからない。

でも彼らに手を貸すと決めたのだ。ただ何もせずに、彼らの成功を待つというのは気が引ける。

「外ばかり見ているのね」

 ノアルは我に返ると、マリナの方に振り返った。彼女は大きなベッドの上で、髪を梳かしていた。

寂しそうな表情で彼女はこちらを見ている。そんな彼女にノアルは、つくり笑顔でかえす。とても今日は彼女を抱く気持ちにはなれない。

「今日は帰るよ」

 窓に背を向けて、体ごとマリアの方に向けるとノアルは口を開いた。

「え?」

「ごめん」

 あからさまにマリナが残念がる。
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