春待つ花のように
「心配だから?」

 シェリルは眉間に皺をよせる。

 一体、誰のことを心配しているというのだろうか。もしかして、ローラとかいう女の心配か。

 もしそうだと言うのなら、カインを行かせるのは筋違いだ。ノアルはあの女に騙されている。

「アンジェラから聞いたよ? シェリルは、カインとローラの仲を疑っているんだろ? あの2人に限って…」

「無いって言い切れるの? どうして? ローラは自分の女だから?」

 怖い顔をして質問をしてくるシェリルに、ノアルはおかしそうに声を出して笑い出した。

「ローラのこと、自分の女って言っちゃっていいのかね…」

「何、哀愁漂わせて言っているのよ! 自分の女でしょ? だから薬屋まで連れてきて…」

「じゃ、聞くけど、カインはシェリルにとって『自分の男』?」

 ノアルの質問にシェリルの動きが止まる。目を大きく開けると、ノアルから視線を逸らした。
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