春待つ花のように
 カウンターの下で食材を仕舞っていたローラは、イブの言葉が途中で途切れたので不思議に思い、立ち上がった。

「ノアル…?」

 ローラはノアルと目が合うと、困惑した表情になった。

 その光景を見ていたカインは、2人を交互に見るとイブに近づいていった。

「外に出ましょう」

 イブの腕を掴むと、カインは彼女を引きずるように外に出て行った。

「話があるんだ」

 カインとイブが外に出て行ったのを確認すると、ノアルはローラに声をかけた。彼女は一回下を向くと、すぐに明るい表情になった。

「そこに座って。今、お茶でもいれるから」

 ノアルは頷くと、カウンターの椅子に腰をかける。ローラは紅茶を手際よくいれると、カップを二つカウンターに置いて、自分もノアルの横に座った。

「話って王子の婚約者のこと?」

「カインからある程度のことは聞いていると思うけど、やっぱりこういうのは自分の口で話すべきだと思うから」

 熱いカップを右手で触るノアル。少し落ち着きが無い。
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