春待つ花のように
「人ってね、弱い生き物だと思うの。だから誰かを憎んだり、愛したり出来るんだと思う。今現在、国王に好意を持っている人は少ない。税金の吊り上げで苦しんでいる人は多くいるわ。このまま続けば、この店だってつぶれる。私もいつか、役人に殺される。ノアルはそれを止めようとしてくれている。私はそう思っている。荒れてたスラムをここまで立て直したノアルなんだから、きっと大丈夫」

「ローラは俺を美化しすぎてる」

「そうかもしれない。でも私の目には、ノアルはそう映ってる」

 ローラはニッコリと微笑むと、ノアルもつられて笑う。

 マリナとのことを責めもせずに、励ましてくれる彼女に彼は感謝をする。本当にローラは、大きな心を持っている。

「ありがとう」

 ノアルは心の底から彼女に感謝をした。

「一つ聞いてもいい? もし、ノアルが国王になったとき、レイの婚約者の人を妻にするの?」

 考えもしなかった質問にノアルは一瞬時が止まった。

 もう会えないと思っていた。

 レイに、知られてしまったし、マリナは彼を選んだ。

 だから自分たちの恋愛は終わったものだと思った。でもローラの考えも一理ある。
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