春待つ花のように
「そのこと…」

「ノアルは知らないわ。ローラからは絶対に話さないでしょうし、私だって貴方だから話しているの。前に言ったわよね? 貴方ならローラをわかってあげられるんじゃないかって…。あの子の過去も性格も全部受け止められる…そう思えるのよ」

 イブの言葉にカインは鼻で笑った。そこまで期待されていたとは驚きだ。

 確かに、ローラのことはとても気になっている。多分、恋愛感情がある。

 それに気づきたくない自分も居る。ガーネの復讐をしなければならない。ロマを殺して、ノアルを新国王したい。

 今、ローラへの恋心に気づいて、彼女と恋仲になってしまったら、自分はノアルに忠誠を誓えなくなってしまいそうで怖いのだ。

「私は…」

 カインが思いつめた表情で話し始めると、店からノアルが出てきた。彼は、イブたちを見つけると小走りで近づいてくる。

「悪い。待たせたな」

「いえ。もう平気なのですか?」

 カインはいつもの表情に戻り、笑顔で話しかけた。

「ああ。カインのおかげですっきりしたよ。イブも悪かったな」

 イブは立ち上がると、スカートの誇りをはらってカインを一睨みした
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