春待つ花のように
「まだ明るいですよ」


「時間なんて関係ないわ。ねえ、早く…」

 ゼクスはクスっと笑うと、彼女の手を掴んでベッドに放り投げた。

「ゼクス、激しくね」











 
 「私、シャワーを浴びてくるわ」

 情事が終わるなり、レティアはそそくさと部屋の奥にある浴室に行ってしまう。ゼクスは彼女の姿が無くなるとため息をついて、体を起こした。

 一度、レティアに体を許してから、毎日のように求められる。最初は、宮殿の内部情報が得られるかもしれないと思い、抱くことを決意した。

 しかし情報を得られるどころか、日増しに自分への要求が増えてくる。最初はロマから貰えない愛の欲求不満からかと思っていた。

 しかしこうも大胆に迫られると、どうしていいのかわからなくなる。

 セックスが終われば、ゼクスは用なし。レティアがシャワーを浴びている間に着替えて部屋を出て行かなくてはならない。
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