春待つ花のように
「いくら強くても所詮は女。男の僕には勝てないよ」

 ロイは暴れる彼女を押さえ込むと、上着を無理やり破いて胸を露わにした。彼は嬉しそうに舌なめずりをすると、彼女の形のよい乳房にかぶりついた。

「いや…だぁ」
 エマは動けない状況になっても諦めずに抵抗を続けた。力尽きても、声を出さずに涙を流して悔しい表情をしていた。

『所詮は女。男には勝てない』

 その言葉が大嫌いだ。

 幼いころからずっと言われ続けてきた。両親にも周りの大人たちにも。男として生まれてきたらどんなによかったことか。

 だから軍に入隊した。女でも男には勝てる。

 強いんだと認められるために、どんな訓練にだって負けずに頑張ってきた。男だって弱音を吐くような事だって何も言わずに歯を食いしばって、隊長にまで上り詰めたのだ。

 なのに、女であるがためにこんな辱めを受けるなんて悔しかった

 。ゼクスと出会って恋を知ったときは女であることが嬉しかった。彼の腕の中にいるときの幸福は女性であることを感謝していた。
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