揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
その時だった。


私の鞄の中から、携帯のメール着信音が聴こえてきた。

この音楽は…大翔君専用の曲だ。


今日、木曜日だよね?

確か金曜に修学旅行から帰ったら、連絡くれるって言ってたけど……。


もしかして……?


「出ねぇの?」


予定外のメール着信に戸惑っていると、窺うように諒斗が尋ねてきた。


「えっ?あっ、ううん……」


2人の前で彼からのメールを見るのは何だか気が引けて、私はそのまま鞄から出さずにいた。

すると、2人からの刺さる様な視線を感じて……。


「えっ?な、何っ?」


「彼氏からなんでしょ?メール。見てみなよ?」


私から身体を離し、今度は沙希がそう言ってくる。


正直、彼からのメールを見るのは怖かった。

あれから、まどかさんと話をしたのかもしれないし。


別れ話のメールかもしれないって思うと、メールを開く勇気がどうしても出てこない。


「大丈夫、私らがついてるから」


そう言って背中をポンッと押してくれた沙希には、きっとお見通しなのかもしれない。


私の…この不安が。
< 196 / 337 >

この作品をシェア

pagetop