揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「もしかして、信じてた?その言葉」


そして今度は、いつも私を苛める時の悪戯っぽい表情に変わり。

急に恥ずかしくなってきた私は、ムキになって言い返していた。


「だって、『大翔の本命は私なんだ』ってまどかさん言ってたし。水沢…さんも私も、それを隠す為のカムフラージュなんだ、って」


「まぁ、梨香がカムフラージュっていうのは当たってるけどさ。でも、由佳の事をそんな風に思うわけないじゃん。俺の事…そんな奴だって思ったの?」


反対に言い返され、うまく言葉が出て来なかった。


疑ってしまったのは確かだけど。

でも、信じてないって思われるのも嫌だし。


「どうやって言ったら信じてくれるの?例えば、『由佳の裸じゃないと欲情しないよ』とか?」


「なっ、何言ってんのよっ、こんなトコでっ!」


慌てて彼の口を左手で塞ぎ、私は周りをキョロキョロと見回した。


明るいとはいえ、もうすぐ7時になる。


公園には、子供の姿は私達しかいなかった。

あとは、少し離れた所で犬の散歩をしている人とか、ウォーキングをしてる人とかで。


とりあえず、誰にも聞かれてないみたいでホッとした。


すると、至って冷静な眼差しを向けながら、彼が私の左肩をトントンとつついてくる。


「えっ?あっ、ごめんっ」


慌てて手を離すと、彼は軽く溜息を吐いた。
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