揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「どうか…した?」


もしかしたら、まどかさんと何かあるんじゃないか?って心配になって。

恐る恐るそう尋ねた。


「由佳は、もう俺の事ちゃんと信じてくれる?」


それは、予想に反した質問返しで。

一瞬キョトンとなったものの、慌てて首を縦に振った。


「今までも、きっとこれからも。俺は、由佳だけを愛してるから」


改めて言われると何だか照れくさいけど、嬉しいのは確かだった。

不安を抱えていた私の心は、こうやって何度でも言葉にして欲しがっている。


「まどかさんとの関係も、中学を卒業したら絶対に終わらせる。だけど、それは愛じゃなくて義務だから。体は与えても、心は由佳にしか与えないよ」


そして、彼はゆっくりと私を抱きしめてくれた。

久しぶりに包まれる、彼のぬくもりと匂い。


私の居場所は…やっぱりここしかないんだ。


そう、思っていた時だった。


「実はさ、明日から…ある人の恋人のフリをしなくちゃいけないんだ」


「えっ……!?」


思わず、自分の耳を疑ってしまった。


だって、やっと誤解が解けてこれからって時なのに。

誰かの恋人のフリって……。
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