揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「俺は由佳とつき合ってるから、篠原さんの事は本気で好きなわけじゃない。これで…分かってくれたか?」


「由佳さんとお前が……?えっ?だって、由佳さんって高校生だよな?」


訳が分からないといった様子で、雅志は頭を抱えている。

余計にアイツを混乱させてしまったかもしれないけど、こうするのが一番いいはずだから。


「ねぇっ、いいの……?」


俺の右腕の服を軽く引っ張りながら、心配そうな顔で今度は由佳が尋ねてくる。


【付き合ってる事を話してもいいの?】


そういう意味合いなんだろう。

俺は、安心させるように大きく頷いた。


「とにかく篠原さんとは、彼女が落ち着くまでの偽物の恋人だから」


イマイチ納得しきれていない様子の雅志にそう告げると、


「そっ、その事なんだけどっ」


少し躊躇いがちに、再び由佳が口を挟んできた。

何事かと彼女に視線を向けた時だった。


「大翔!」


背後からそう声がして振り返ると。

篠原さんとまどかさんが、ゆっくりとこっちに向かって来るところだった。


もしかしなくてもヤバイよなぁ、この状況。
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