愛かわらずな毎日が。
緊張でカラカラになったのどを潤そうと、紅茶をひとくち飲んだ私の耳に届いた、
「よかった」
と、フッと笑みをこぼした福元さんの言葉。
「……なにが、ですか?」
私が首を傾げると、福元さんは、うん、と小さく頷いて、
「今朝、なんだか元気がないように見えたから」
そう言ってゆっくりと瞬きをした。
「…………あ、」
ドクン、と心臓が跳ねる。
それは、と続けることができなかった。
だって、そんなこと言えるわけない。
言葉を詰まらせた私を気遣ってくれたのか、福元さんは、
「食欲があるなら、もう心配いらないかな」
って、いたずらっぽく笑った。
「は、…はいっ。もう、ぜんぜん。元気ですっ」
恥ずかしさを誤魔化すようにサンドイッチにかぶりついた私を見て、福元さんが、あはは、と声を出して笑う。
気にかけてくれてたんだ。
私のこと、心配してくれてた。
「………あ、…あの」
「うん?」
「今朝は、………ありがとうございました。
ドアを開けてくださって。それなのに、……私、きちんとお礼も言わずに」
「ははっ。そんなの、気にしなくていいのに」
「だって……。なんていうか、ですね。
あとからじわじわと効いてきて。その……、福元さんの、……優しさが。
なんだか、それがすごく、……うれしくて」