愛かわらずな毎日が。

俺のことはどうでもいいんだよ。

………って。


「なんで知ってんの?俺、話したっけ?」


福元は、ふぅっと小さなため息を吐いて言った。


「ここに来る前、マイコちゃんから掛かってきたんだよ。『一緒に飲むって、ほんと?』って。
そのあと、教えてくれた。『この前、あまりにもムカついたから家に入れなかった』って」


「げっ。まじか……」


教えてくれた、だなんて。

マイコのことを気遣って言ったんだろうけど。


そりゃ、愚痴っていうやつだよ。

仕事でお疲れのところ、うちの嫁さんに愚痴られたんだよ、おまえは。


「信用されてないんだな」

そう言ってクスクス笑う福元の肩をゴツンと小突いた。


……まぁ、たまにはあるさ。うん。

そういうことも、ね。あるある。


「……って。俺のことはどうでもいいんだよ。
今は、おまえのことを話してるんだ。おまえの将来のこと」


「だから、いいんだって」


「よくない」


「よくない、……って。なんでそんなに、」

「なぁ」


「……なんだよ」


「あれから、何年経った?」


「あれから、……って?」


「レイカちゃんと、」


「……あぁ」


そのまま黙り込んでしまった福元が、俺に向かって指を二本立てて見せた。


「……二年、か」


「ん」

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