愛かわらずな毎日が。

「そういえば、私に何か用ですか?」


パキンッ、コリッ、ポリポリ


気の強そうなイメージだった間宮さんが、目の前で板チョコを食べている。

手で割ったりせずに、そのままくわえて、パキンと。


「ふはっ。なんか。なんだろう。クククッ。
うん。ごめん。ククッ」

「………失礼な」

「ごめんね。クククッ。うん、えっと。あのさ。
間宮さんて、」

「はい」


「緊張感よりケーキのほうが嬉しい?」


「………………え?」


パキンッ、……ポリ、……ポリ、

「…………なんで、……それを、」

目を泳がせながら板チョコを喰らう。


え。まじか。

もしかして。

もしかすると?


……………ビンゴ?


いや。

ビンゴ、なんてオッサンみたいな言い方しちゃったけど。

えっ!?

間宮さん、だったのか?


この挙動不審な感じが、まさにそれ。


「えーっ、なっ…、なんですか。あはは。だっ、……誰かが、言ってた、とか?……ですか?」


パキンッ、ポリポリポリポリポリ、


「うっ、クククッ…。うん。言ってた」


「ひぇっ…。だっ、誰……が、」


「うちの嫁」


「…………え、」


「うちの、嫁さん」


よりも付き合いの長い、福元部長。

< 122 / 320 >

この作品をシェア

pagetop