愛かわらずな毎日が。

「……あ。そ、そうなんですね。ハ、ハハ」


「誰かも、そんなこと言ってたの?」


「えっ?あ、いえ。……べつに」


パキンッ、ポリポリ、


「ふぅん」


「奥さんも、……あ。いえ、奥さんは、どうしてそんなことを?」


「うん。あのね、」


「………は、い。………ゴホッ、ゴホッ」


うわ。チョコでむせたし。

あはは。なんか。うん。

なんか。


間宮さんて、可愛いんじゃないの。


「クククッ。うちの嫁がね、」

うちの嫁よりも付き合いの長い、福元部長がね。


「……はい」


「………あ。やっぱ、やめた」


「はいっ!?」


「なんか、うちの嫁のこと考えてたら」

嫁よりも付き合いの長い福元部長のことを考えてたら。


「胸がいっぱいになっちゃったよ。だから、いいや。うん」


「はぁっ?なんですか、それ」


「これ以上、間宮さんのこと見てると、お腹いっぱいになっちゃうから」


「………意味がわからないんですけど」


「俺が満足できたから、それでいいんだ。
ごめんね、お邪魔しました」


「ちょっ、……ちょっと!なんなんですか、きもちわるっ。なに、自分だけ満足とか、あり得ませんよ。ちょっと…っ、佐伯さん!?」


「あ。そうだ」


「な、……なんですか」


「さっきの、少し分けてもらってもいいかな?」

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