愛かわらずな毎日が。
「どこ、……って。あなたに言う必要はない、と思うんだけど」
警戒心むき出しの私にはお構いなしに、彼は、
「あはは。そんなにコワイ顔しないでよー。
あ、そうだ。一緒にお茶でもどうですか?
ちょうど3時のおやつの時間だし」
ねっ、と首を傾けて笑顔を見せる。
なに、これ。
新手の勧誘……?
っていうか。
なに?
なにを買わされるの?
高級化粧品?
それとも、健康食品?
なんにせよ、こんなヤツになめられてたまるか。
「しっ…、仕事中!見てわからない?そんな暇ないの」
私は、カツカツカツと、履き慣れないパンプスで歩く速度を上げた。
……のだけれど。
いつも以上に大きく振っていた腕を掴まれたかと思ったら、
「おねーさん、俺のタイプだったから、思わず声かけちゃいました。よかったら、暇なときにでも会ってくれませんか?」
そんな言葉を聞かされたのだ。
耳を疑うようなセリフ。
生まれてはじめて聞かされるセリフ。
疑わしいと思いつつ、微妙にときめいてしまった自分がいた。