愛かわらずな毎日が。
「…………私だって、」
香織が言ったように、確かめもしないで悩んでるなんてバカげてると思う。
わかってる。
「…………わかってる、けど」
怖かった。
昔の恋を思い出して。
『悪いけど、……別れてほしい』
あの日の言葉を思い出して。
福元さんの口からその言葉を聞かされるんじゃないか、って。
福元さんを失ってしまうかもしれない、って。
そう考えたら、確かめることが怖くてたまらなかった。
何度も打ち直して保存したメールは、忙しい福元さんのことを気遣って送信しなかったんじゃなくて。
ただ、逃げていただけなのかもしれない。
傷つくことから逃げてただけ。
『あんたは福元さんの彼女なんだから』
『福元さんが話してくれるまで待とうとか、そんな甘い考えはやめてね』
『よからぬ妄想ばかりしてないで、少しは福元さんを信じてあげなよ』
香織の言葉を思い出し、携帯を手に取った。
「……福元さんを、………信じる」
話があります。
連絡待ってます。
たったそれだけのメールを送信するのに、一体どのくらいの時間を費やしただろう。
メール送信中の画面を眺めながら吐き出した息が震えていた。