愛かわらずな毎日が。

「………い……な、……」


「え……?」


「いら、……な、い。欲しく、ない」


福元さんの反応を見るのが怖くなって、思わず下を向いた。

その拍子にぽたぽたと涙がこぼれ落ちる。


「だって、………」


苦しいけど。

怖いけど。


逃げたら、だめ。

ちゃんと、確かめなくちゃ。


「だって。もらったら……、受け取ったら、終わり、……なんでしょ、う?」


そう言ったあと、体の奥から熱いものが込み上げてきて。

中途半端に閉じられた白い箱から漂ってくる、甘い香りのせいでもある。

自分でも驚くほど、次から次へと湧き出てくる。


好きって想いが。涙が。

止まらない。


「ちょっと待って。終わり、って」

どこか焦ったような、そんな福元さんの声がしたけれど、私は勢いよく息を吸い込んで話しを続けた。

「私のこと、嫌いに……私のどこが、とか。
理由、……知って……知りたい。それから、じゃないと、……無理、で」

頭の中はぐちゃぐちゃだし、声が震えてしまっているから、きちんと伝わっているのかはわからない。

でも。


「私、……福元さんと、…別れたくな、い」


せめてこの気持ちだけは、どうか届いてほしい。

そう思ったのに。


「へっ!?」

って。

いつもの福元さんからは想像もつかない、間の抜けた声が飛び出したものだから。


「………へっ?」

私まで間の抜けた声を出してしまった。


………え?……な、に?

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