愛かわらずな毎日が。

食事くらい誘えばいいのに、とか。

そんな会話も聞こえてきて。


「……マズいな」


すっかり酔いがさめた俺は急いで増田と池谷の元へ向かった。


「よぉ、なにやってんの。こんなとこで」


「うわっ、」

「びっ、……くりした」

「なんだ、佐伯さんか」


似たような背格好をした二人の肩をガッシリと抱いた俺は、

「おまえら。こんなとこでサボってないで、部長連中にお酌して回れよ」

そう言って二人に体を預けるようにして体重をかけた。


「おっ…、重いっ。重い、って」

「……っていうか。佐伯さんこそ、サボりに来たんじゃないの?」

増田も池谷も俺の腕をどかそうと必死だ。


「俺?俺はトイレに行くんだもーん」


「行くんだもーん、って。子どもか」

「佐伯さん、マジで重いって」


「あはははは。このままトイレまで連れてけよ」


「やだよ」

眉間にシワを寄せる、色白の増田。


「カンベンして」

大きなため息を吐いた、メガネ男子の池谷。


さて。

『間宮さん』狙いはどっちでしょう。

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