愛かわらずな毎日が。

「オレさ、他に」


「………」


「好きな人ができたんだ」


みつひろの言葉で、一瞬、頭の中が真っ白になったあと、ぽうっと、ふたりの姿が浮かび上がってきた。


みつひろと、みつひろに肩を抱かれていた女。


私より、少しばかり色白で。

私より、少しばかり胸が大きくて。

私より、少しばかり化粧の腕がいい。


ただ、それだけのこと。


そんな女を好きだと言うの?

私よりも?


「浮気じゃ、……ないの?だって、それって…、おかしいよ」


浮気よりもたちが悪い。


「好きな人」だなんて。

浮気じゃなくて、本気だってことでしょ?


ドクン、ドクンと激しく動く心臓は、今にも張り裂けそうな勢いで。


苦しい。


立っているのがやっとだ。


コホン、と咳払いをしたみつひろが、スッと息を吸い込んだ。


耳を塞がなくちゃ。


そう思うのに、動けなかった。


「悪いけど、……別れてほしい」


聞きたくなかった言葉が、耳に滑り込んできた。


涙を流すのはここだったはずなのに。


みつひろの姿が滲んだだけで、涙は溢れ落ちてはくれなかった。

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