愛かわらずな毎日が。
涙は女の武器だと言うけど。
私はそれを上手く使いこなすことができなかった。
大切に隠し持っていたものを、途中半端に披露してしまった。
だけど今ここで、ぽろぽろと泣いたところで効果があるとも思えない。
だから。最後の悪あがき。
「いいわけぐらいしなさいよ。
……ほんとは、遊びのつもりだったんだ。
俺が好きなのは、おまえだけだよ、…って。
最後には、おまえのところに……」
みつひろの代わりにいいわけを言う私は、やっぱりマヌケだ。
「もういい。帰る。サヨナラ」
そう言ってみつひろに背を向けたものの、部屋着のまま家を飛び出した私は、携帯と少しの小銭しか持っていなかった。
「……来るとき、タクシー使ってきたの。
もう、小銭しか残ってなくて」
そっと振り向くと、みつひろは小さく微笑む。
「送るよ」
その笑顔が好きだったの。
ふたつ下だとは思えないほど大人びた笑顔に、私は恋をしたんだ。