愛かわらずな毎日が。
みつひろの車に乗り込む。
助手席は私の指定席だったはずなのに。
わずかに倒されていたシートが、ここがもう、あの女の指定席になってしまったことを示していた。
いつからだろう。
みつひろの心の中に、私以外の人間が存在していたのは。
気づかなかった。
気づけなかった。
「それにしても、凄い頭だね」
ハンドルを握るみつひろが、チラリとこちらを見てそう言った。
「あ…。焦ってたの!急いでて。……必死、だったから」
ずっと輪ゴムでまとめていた前髪は、あり得ないくらいマヌケなクセのつきようだった。
私はそれを手で撫でつけながら窓の外に視線を移した。
「私、自分がこれほどマヌケな人間だと思わなかった」
最後になるかもしれないと思っていながら、ボサボサの髪で色気のない部屋着を着て、化粧もしないまま。
だらしない姿のままみつひろに会いに来てしまった。
「そこがいいんだよ」
真っ暗闇の中、次々と後ろに流れていく景色を眺めながら、みつひろの言葉を聞いていた。
「だったらどうして他の女を好きになったりしたの?」
思わず口に出しそうになった言葉をのみこむ。