愛かわらずな毎日が。

「私もマヌケだけど、みつひろもマヌケだよ。
バカみたいに、テレビに映ったりするから」


「ほんと。マヌケだね」


「でしょ?なんであんなことするかな。
大バカ野郎だよ」


「大バカ野郎……ね」


「ふふっ。マヌケ。大バカ野郎」


「ははっ。否定はしないでおく」


「あはは。しちゃだめでしょ」


ガラスに映る私は、確かに笑っていた。


ちゃんと、笑えてる。


愛しさなんて、あっという間に憎しみに変わるもの。

だけどこの憎しみは、愛しさがあるからこそ成り立つものなんじゃないかと思う。


他の女に揺らいでしまったみつひろのことを、心の底から憎んだけれど。

こうしてみつひろの隣にいると、やっぱり愛しいって想いに支配される。


ほんの少しの違いだった。


あのまま意地をはって家まで歩いて帰っていたら、憎しみのまま終わっていた。

こうしてみつひろに送ってもらわなければ、離れるのが辛いだなんて思わずに済んだ。


ほんの少しの違いなの。

だけど、どちらを選んだとしても自分が決めたことに間違いないから。


みつひろと恋人同士になることを選んだのは、間違いじゃなかった。

そう思うよ。

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