愛かわらずな毎日が。
「うん。わかった。それで進めていこう。
先方にもそう連絡しておいて。じゃあ、あとは頼んだよ。よろしく」
携帯を閉じ、それを上着の胸ポケットにしまうと、
「ありがとう。助かったよ」
持っていたシステム手帳を脇にかかえ、紙袋とビジネスバッグに手を伸ばした福元さん。
取引先まであと数メートルというところだった。
「あの……、私は」
手ぶらになった私は役目を終えたつもりになっていた。
まだ痺れが残る手のひらを閉じたり開いたりしながら、「お疲れ様。会社に戻っていいよ」の言葉を待つ。
でも。
「一緒に来てくれる?」
「……はいっ?」
「名刺、持ってきたよね?」
「えっ?あ、……はい。言われた通りに、いちおう。…っでも、私、何もできませんけどっ」
慌てる私に笑顔を見せた福元さんは、
「いいよ。隣に座って話を聞いてるだけで」
そう言って私の肩をポンポン、と叩いた。
「ちょっ、と……っ。あ、あのっ、」
さっさと歩いて行ってしまう福元さんの後を慌てて追いかけた。