愛かわらずな毎日が。
「久しぶりの名刺交換でした」
エレベーターの前で、順番に点灯する数字を見上げていた福元さんに向けてそう言った。
「そうだよね。内勤じゃ、滅多にしないよね」
私に視線を移した福元さんがにっこり笑った。
「あ、はい。6年前に貰った名刺が、未だに残ってますから」
「へぇ。そうなんだ」
「はい」
ゆっくりと開いたエレベーターの扉。
福元さんは先に乗り込むと『開』ボタンを押し、私や、他の人たちが乗り込むのを待っていた。
「あ、あの……」
「ん?」
「どうして私を、同席させたんですか?」
エレベーターが下降していくときの、あのフワッとした感覚が苦手な私は、それをごまかすように意識を福元さんへと向けた。
「んー。経験、かな」
「……経験?」
首を傾げると、福元さんが小さく頷く。
「外の世界を見ることも大事かな、と思って。
いくら内勤だからといって、社内のことしか知らないなんて、つまらないだろ?」
「………はぁ」