愛かわらずな毎日が。

結局、いつだってそう。

誰かが異動になったとしても、私たちの仕事は変わらない。


掲示板に貼り出す用紙を準備して、新しい名刺を発注して。


その人がどんな気持ちでいるのか、なんて、深いところまで考えたりしない。


今までも、これからも。

それは変わらないと思う。



「何にしようかなぁ」

メニューを広げて、あれでもない、これでもないと騒ぐ。


「そういえば、予約してたバッグが入荷したって連絡があったんですよ。早速、帰りに取りに行こうと思って」

森下が目を輝かせる。


「雑誌見て、欲しいって騒いでたやつ?あれ、可愛いよねーっ」

メールを打つ手も止めずにそう言った香織。


何も変わらない。


6年間、ちっぽけな世界で過ごしてきた私の頭の中は。


目の前にあるたくさんのメニューの中から何をオーダーしようか、とか。

給料で何を買おう、とか。


そんなことでいっぱいだ。


今までも、これからもずっと、それは変わらないんだ。

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