愛かわらずな毎日が。
「あはは。なんだ、そうだったんだ」
「………はい」
「でも、せっかくだからどうぞ。総務の女の子の分くらいしかないけどね」
はい、と胸の前に差し出された箱をそっと受け取った私。
「ど、うも……ありがとう、ございます」
どうしよう。
わざわざこうして持ってきてくれるなんて。
そんなこと、ぜんぜん思ってもみなかったから。
どうしよう。
どうしよう。
悪いことしちゃった。
『緊張感よりケーキのほうがうれしかったです』
なんて。
あんなこと、言わなければよかった。
「あの……っ。すみませんでした。気を遣っていただいて。なんか、ほんとに…」
「ははは。そんな顔しないでよ」
「………でも」
「そこの店、知り合いがやってるんだ。だからってわけじゃないけど、結構うまいと思うよ」
チラリと見た福元さんの表情が、ふわりとやわらかなものになる。
「……じゃあ、……遠慮なく、いただきます」
ペコリと頭を下げると、福元さんは、
「うん。それじゃ」
と、営業部へと続く通路を歩き出した。