愛かわらずな毎日が。
「お疲れ様。なにか持っていく物、ある?」
うちの部に顔を出して、そう声をかけてくれる福元さん。
来月から本社勤務ということもあり、今は営業所と本社を往き来する毎日。
出掛ける前には必ず、営業所への届け物がないか確認しに来てくれるのだ。
自分の抱えてる仕事も、これから引き継がなくてはいけない仕事もたくさんあって、気持ちの余裕なんてないと思うのに。
それでも、毎日欠かさず声をかけてくれる。
「お疲れ様です。今日は、なにもないです」
「そう?わかった」
「いつも、すみません」
「いいよ。ついでだから」
……あ。ほら、今日も。
福元さんは、さわやかな笑顔を見せる。
「大変そうよね」
私のすぐ後ろで、香織が、ふぅっと息を吐き出した。
「ほんとですよねぇ」
森下も、ほぅっと、ため息にも近い息を吐き出した。
経理部のオバサンに呼び止められた福元さんを眺めながら、ふたりはそう言ったのだけれど。
それを聞いて、胸の奥がまた、ざわざわと騒がしくなった。