愛かわらずな毎日が。
「……見事に餌付けされてない?」
香織が得意料理の唐揚げを箸で挟んだまま、目を丸くしている。
「え……?」
コンビニ弁当をつついていた手を止めた私。
「餌付け、って?」
同じくコンビニ弁当のごはんをほお張っていた森下が首を傾げた。
「ケーキよ、ケーキ。福元さんからケーキをもらってから、様子がおかしくなったのね」
ニヤリと笑う香織を見て、
「なるほど」
と、森下が納得したような表情でうんうんと頷いた。
「おいしかったものね、あのケーキ。私も、あと3つ食べてたら福元さんになついてたかも」
そう言ってクスクスと笑う香織。
「餌付けって…。なつくってなによ。ヤな感じ」
ひとり理解できずにいる私は、そう言って唇をとがらせた。
「ごめん、ごめん。ふふふ。ほんと、ごめん」
謝りながらも笑うことを止めない香織と、どこか嬉しそうな表情をした森下を見て、思わず大きなため息を吐いてしまった。
そんな私を見て、香織が小さく微笑んで言う。
「今はさ、男がどうとか、女がどうとか、言ってられないご時世だけど。
それでもやっぱり、違うと思うんだよね。
福元さんだけじゃなくて。男の人は誰だって、多少の覚悟はしてると思う」
「……そうかな」
「そうよ」
「……そっか」
ふぅっと息を吐き、痩せ細ったエビフライにかぶりついた。