愛かわらずな毎日が。
「香織っ」
コピー機の前にしゃがみ込んでいた香織に声をかけると、香織は、
「おかえりー。ねぇ、ちょっとこれ、見てもらってもいい?」
と、給紙トレイを引き出した。
「さっきから、ピーピーピーピーうるさいの。
紙詰まりって表示されるんだけど、ほんとに紙詰まりなのか、よくわからなくて」
ふぅっと息を吐き出した香織から給紙トレイを受け取った。
「あー…。昨日も調子悪かったよ」
私がそう言うと、
「ほんとに?……ったく。いい加減、新しいのに替えて、ってかんじ」
腕組みをして、左の頬を膨らませた。
こんなときにどうかとは思ったんだけど。
「……あ…の、さ」
「ん?」
「さっき。連絡してくれたでしょ。……福元さんに」
私がそう言うと、香織は、
「あぁ。名刺のことなら、別件で連絡することがあったから、ついでに教えちゃった。
愛は悪くないのに、誤解されちゃうのはかわそうだな、と思って。
あ。余計なことしちゃった?ごめん」
と、肩をすくめた。
「ううん。ありがと、ね」
「福元さんじゃなかったら、わざわざ教えたりしなかったよ」
「え……?」
香織の言った言葉の意味を知りたかったのだけれど。
「もーっ。急いでるんですけどー」
って。
イライラしながらコピー機の側面をコツコツと叩く香織を見たら、それ以上は何も訊けなくなってしまった。