愛かわらずな毎日が。
「カンパーイ」
「おつかれーっ」
私と香織、経理部の塚田ちゃんと、営業の井沢と中里。
同期5人が集まる、毎月恒例の飲み会。
入社してから今まで、こうして月に一回のペースで集まっている。
「それにしても。……いいよなぁ」
中里が煙草に火をつけ、ゆっくりと上っていく煙を見つめて言った。
話題はやっぱり、あのことだった。
「確か、32だろ?羨ましいよな、『部長』って響き」
「よっ。井沢部長」
「なんだよ、中里部長」
そう言ってゲラゲラと笑うバカ二人に向かって、
「おまえらなんて、一生『ヒラ』だね」
と言って、くるんと巻かれた毛先を指に巻きつけた塚田ちゃん。
「ははっ。だろうね。俺もそう思う。でもいいんだ。俺は今のままでも」
中里が天井に向かって煙草の煙を吐き出した。
「そうそう。『部長』って響きには憧れるけど、福元さんを見てると、なんかなぁ…。
いろんなものを犠牲にしなくちゃいけないと思うと、俺も今のままで充分かも」
井沢がごくごくとのどを鳴らしてビールを流し込んだ。