愛かわらずな毎日が。

…………あ。

私も一緒だ。

私だって、井沢や中里と同じ。


『緊張感よりケーキのほうがうれしかったです』

そんなことを言ってしまったのだから。


………サイアク。


福元さんはどう思っただろう。

こんな私のこと、しょうもないやつだと思ってしまっただろうか。

それよりも、もっと。


悪い印象を与えてしまったのかも。


あぁ、恥ずかしい。

情けない。


みんなと飲んでる場合じゃないような……。

今日は早く帰ろう。


そう思い、時間を確認しようとバッグに手を伸ばしたのだけれど。


「……あれ?……ない。……やだ。どうしよう」

バッグの中を何度も探してみたけれど、携帯がみつからない。


「どうしたの?」

香織がバッグの中を覗き込む。

「携帯、会社に忘れてきたかも……」

酔いが回ってきたのか頭の働きが鈍くなり、思い出すのに多少の時間が必要だった。


着替えてる途中でメールを確認して。

ロッカーの中の棚に置いて。


「……やっぱりそうだ。ロッカーの中だ」


今日は金曜日。

2日も会社に置きっぱなしにはしたくないし。

なにより、明日は友達と会う約束をしている。


携帯がないと困る。

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