愛かわらずな毎日が。
「楽しい?」
突然そう声をかけられ、驚いた表情のまま福元さんを見た。
「資料綴じるの、」
私の手元を指さした福元さんの口角がゆっくりと上がる。
「…………え?」
「なんだか、楽しそうにしてるから」
「………あ、」
少し首を傾げてぱちぱちと瞬きをしていた私は、慌てて下唇を噛み、さっきまで緩んでいた顔の筋肉に緊張感を与えた。
福元さんの目には、資料を綴じる作業を楽しんでいるように映ったのだろう。
違います。これは、………と。
福元さんの表情につられて、……と。
正直に言ってしまえば、福元さんを盗み見していたことがバレてしまう。
「………楽しい、というか。なんて言うんですかね、こういう場合。えっ、と……。
あはは。なんでしょう。……その、……なんていうか。………あっ!コーヒー。そう、コーヒー!………飲みます?……3時、過ぎちゃいましたけど。私、淹れますよ」
立ち上がり、壁に掛けられた時計に視線を移した私の耳に、
「じゃあ、お願いしようかな」
と、笑いをこらえているような、そんな声が滑り込んできた。