愛かわらずな毎日が。

誰も手をつけてなかったチョコレートアイスに、年季が入ってくすんでしまったカレースプーンを突き刺す。

よく冷えているのか、なかなかすくえない。

苦戦しながらも削りとったアイスを口に運びながら、テレビ画面を睨みつけていた。


口の中で溶けていくチョコレートアイスは予想以上に甘かったけれど、お構いなしに口へと運んだ。

時々、隣に置いたスナック菓子にも手をのばす。


口の中でアイスとスナック菓子が混ざり合い、決しておいしいとは言えなかったけれど。

それでもお構いなしに次から次へと口に運ぶ。


泣いたりなんかしない。

まだ事実確認していないんだから。


アイスのせいで冷えた体を震わせながら、床に落ちたままのリモコンに手を伸ばした。


ピッ、ピッ、ピッ


設定温度を上げ、また黙々と食べはじめた。


買い物から帰ってきた母親の、

「みっともない!」

のひとことを聞かされるまで、私の手が止まることはなかった。

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