愛かわらずな毎日が。
福元さんへの想いを他の誰かと共有するよりも、私だけのものにしておきたい。
福元さんに対する想いを、ゆっくりゆっくり育てていきたい。
なんて。
どこか余裕めいた考えでいた私は、自分ひとりではどうしようもできなくなって。
そうしてようやく、
『………福元さんが、……好き』
と打ち明けたのだ。
それなのに。
「愛は、すぐ顔に出るからね。わざわざ言わなくたってわかるよ」
会社帰りに寄ったカフェで、香織がパスタをフォークに巻きつけながらクスクスと笑う。
「………でも。……ごめん」
サラダに添えられていたくし形のトマトをフォークでつつく手を止めてそう言うと、香織は、
「やだな。謝らないでよ」
と、大げさなくらいに眉間にシワを寄せた。
「………だって、」
「いいじゃない。愛には愛の、タイミングってやつがあるんだから」
「………だけど、」
「いいの。今こうして私のことを頼ってくれてるでしょ?だから、いいの。すぐに言うとか言わないとか。そんなの気にすることじゃないよ」
「…………うん」
いくら友だちだからといって、すべてを打ち明ける必要はないの、と。
香織に念を押されてしまった。