スノードーム
止まってしまった私の足に後ろで心配そうな顔をしてる二人。
大丈夫。
そう一言軽く返して笑いたいのに、顔が引きつって笑えない。
最悪だ。
(本当、タイミング悪すぎ)
昨日の今日でこの仕打ちは酷すぎると思う。
呪われてるんじゃないかと疑いたくなるよ。
もう帰ってしまおうか。
そう思ったとき
「カンナ」
どこか響くような透った声に呼ばれた自分の名前。
聞き慣れたその声に反射的に顔を上げる。
するとそこには、教室のドアからひょこっと顔を出すヨシくんがいて。
「…あ」
思ったとおりの人物の登場に、私の体からホッと力が抜けた。