スノードーム




無いわけだ、と一言呟いてヨシくんはケータイを受け取る。


なんて薄い反応。

いや、別に"いや!まじありがと!助かった!"とかそういう反応期待してたわけじゃないけどさ。

これがヨシくんだしね。


恐らく無いと思ってもまったく慌てなかったのであろうその態度がヨシくんらしくて、思わず笑みが零れる。


一緒におばさんから預かったお弁当箱も手渡せば、ヨシくんはいい子いい子と頭を撫でてくれた。


なんか…初めて一人でお使いできた子どもみたいな扱いなんだけど。もしくは犬みたい。


…まぁいいか。嫌じゃないし。




「帰るなら起こしてくれればよかったのに」


「だってお前疲れてたっぽいし。気持ち良さそうに寝てたから」




< 119 / 200 >

この作品をシェア

pagetop