スノードーム
それ以上に私の心は暗い色に染まってしまっているから。
「…最、悪…っ」
崩れるようにその場にしゃがみ込めば口から飛び出たその言葉。
たった一言だが、今の気持ちを一番に表したそれに苦笑が漏れる。
同時にゆらゆらと揺れていく目の前の景色。
"綾人は俺のこと好きなのかと思ってた"
頭の中に先輩の声が蘇る。
(なんだ、それ)
そんなこと言われるなんて思ってもいなくて。
今までの想いが全てムダになった気がした。
一人で大切に温めて、諦められなくて必死に隠してそれでも持ち続けてきた想い。
「バカ、みたいじゃん」
全部知られてたなんて。
それで彼女つくられてたんじゃ、可能性なんて一ミリもない。