スノードーム
「っうぅ…」
静かな通学路に私の唸るような声が反響する。
どうせなら最後まで知らないふりをしていてほしかった。
嘘を吐いていてほしかった。
それが出来ないなら、いっそのことすっぱり振ってくれればよかったんだ。
そうしたら、諦めるきっかけになったのに。
それとも私が気付かなかっただけで、先輩は遠回しに振っていたつもりだったんだろうか。
どちらにしても、もう片思いすら許されない。
「先輩のばか…!」
滲んだ視界から流したくもない涙がポタリと落ちて、灰色の地面に小さな染みを作る。
「…っ誰、が、バカだっ…て?」