雪人
レジスタンスが去った後、暫らくしてからエレミールと戯れ合っていたシュレリアが口を開いた。
「ルイ〜また魔物来たよ〜。今度はね〜30匹も〜」
「そうか……めんどくさいからシュレリアがやっといてくれ」
木にもたれ掛かって目を瞑っていたルイは、シュレリアの言葉を聞き億劫そうに目を開き返事を返す。それに食って掛かるエレミールは憤慨したような目をルイに向ける。
「ちょっと、ルイ!シュレリアちゃんにやらすなんてどうゆうこと?シュレリアちゃんと契約したあなたがやりなさいよ!」
「いいよ〜」
「……えっ?」
エレミールが怒鳴り散らすように言い、ルイのもとに駆け寄る。胸ぐらを掴み、気の強い大きな空色の瞳を向けた。
ルイは迷惑そうな表情でエレミールに視線を送る。すると、シュレリアの可愛らしい声が後ろで聞こえてくる。その返事に目を真ん丸にし、間の抜けた声を出した。ルイに掴み掛かっていた手を離し、今度はシュレリアのもとに駆け寄るエレミール。
「シュレリアちゃん。いいのよ、ルイの言うことなんか聞かなくても。それなら、私がシュレリアちゃんの代わりに相手をするから」
「そうか。じゃあ、エミルが代わりにやっといてくれ」
「ルイは黙ってて!」
緑色の翼で、はばたいているシュレリアを抱き寄せ、エレミールは柔らかい髪を撫でながら宥めるように言った。それを聞いたルイは木にもたれ掛かった状態で後ろ姿のエレミールに声を掛けたら、エレミールが有無を言わせない物言いでルイを黙らせる。
シュレリアはエレミールに撫でられ気持ち良さそうに目を細めた。
「大丈夫だよ〜。だってね〜私強いもん〜!」
エレミールの腕から抜け出しシュレリアは、はばたいたまま空中に静止する。三人を囲むようにウルフ達が姿を現す。
「いっちゃえ〜〜」
シュレリアが可愛らしい声を出し手を振り上げると、ウルフ一体一体に風が纏わり付き体を上空へと持ち上げる。30匹のウルフは風に持ち上げられ、シュレリアと同じ高さまで上がると、そこで停止する。それらを木にもたれ掛かったままで、ルイは片目で一連の状況を眉を潜め見ていた。そして、シュレリアのこれからする動作にルイの表情が少し慌てた。木から体を離し急いで声を掛けようとする。