雪人
レジスタンスの連中がウルフを倒し全員が集合した後、ルイ達の所へ戻って最初にとった行動は全員口元を手で覆い、驚いた表情で辺りに散乱したウルフの死骸を見ていたことだった。その光景にラキアはポツリと言葉を漏らした。
「ぐろいな……」
「うぇ……」
「大丈夫ですか?」
ベスは異臭に吐きそうになるのを抑えた。眼鏡を温和そうな顔の男性に背中を擦られ少し和らいだベスは礼を言う。
「ダント……ありがと……」
「いえいえ。それより……ルイさん達はどちらに行ったんでしょうかね?」
「へっ、やられたんじゃねぇか。弱そうなやつらだったしよ」
ラキアは嘲笑うように笑った。
ダントは辺りを見渡しルイ達の姿を探そうとする。そして視線が一点に定まる。定まった方向には見るに堪えないシモーズの姿が会った。シモーズを見つけたと同時に上から皮肉じみた声が掛かる。
「やられてなくて悪かったな。それと、俺はお前達の誰よりも強い」
ストッと地面に着地する音が聞こえ、レジスタンスの人たちは振り替える。不機嫌を露にした表情でレジスタンスを見るルイ。ルイの肩に掴まって着地したエレミールはどこか頬を赤くし恥ずかしそうにもじもじしている。それを見ていたダントはそれよりシモーズの事が気に掛かり振り返る。振り返えったダントを不思議そうに見ている他のメンバーは、その視線を辿ると、どこからどう見ても見るに堪えないシモーズが視界に映る。その表情を見るかぎり立ったまま気絶しているようだ。
「一体何があったんですか……?」
ルイはレジスタンスの全員にわかるように事細かに説明した。説明を聞き終えて複雑そうな表情でダントは一回深く呼吸をする。ラキアや他のメンバーは哀れむような視線をシモーズに送った。
「だいたいわかりました。要は、シモーズの存在を忘れてたんですね」
「その……ごめんなさい」
「いえ、別に責めてるわけじゃないんですよ。まあ、そのことは置いとくとしましょう。それよりもシモーズの所には誰が行きましょうか?」
「………」
ダントの質問に誰も答えず気まずい雰囲気が辺りを漂う。