雪人
「“潜入する必要”があるんじゃなくて“潜入しなければならない”状況なんだろ。例えば……広範囲な結界がはってあるとか、警備の兵をも欺けれない入念なチェックとか……そうなんだろ?ミフレ」
ルイの言葉を聞いたミフレは驚きの余り目を見開く。どうして今来たルイがわかるんだといいたいような瞳でルイを見つめる。そして、不意にルイと始めてあった時のことを思い出した。そうだった、こいつは頭がきれるんだと。
やれやれといった表情で手を上げ、ミフレは降参のポーズをとる。
「さすがだな、ルイ。そうだよ。広範囲な結界が王都を覆ってて外壁を伝って潜入するもわけにもいかないし、物資が運ばれる馬車に潜んで乗ることもできない。いや、馬車に乗って一人潜入した人がいたが、処刑されてしまった……。要するに結界を通過する時、術者に自分達のことがバレてしまう」
「王都を覆っている結界の特性はわかってるのか?」
「もちろん、ちゃんと確認済み。王都を覆っている結界の特性はな、広範囲なだけで、入るときに誰が来たかわかるぐらいで、入ってきた人の居場所まではわからないようだ。一度入ってしまって、すぐに隠れて潜伏すればいいかと思ったが、リスクが高すぎるからな。なぜならな、王都に入れるのは特定の人に限られている。一つしかない入り口――南の門――にいる警備の人へ特定の人でなければ、すぐ伝達がくるような仕組みとしてなりたっている。それじゃあダメだと思ったアタシ達は考えた。王都に正面から入るのがダメなら……」
話し続けたミフレは、少し間を置き深く呼吸する。そして、ルイへとどこか挑戦的な眼差しを送った。ルイもミフレの瞳を見る。
「ルイ、アタシたちが何したかわかるかい?」
ミフレは立ち上がり自慢するように、満面の笑みでルイに問い掛ける。さすがのルイもこればっかりはわからないだろというような自信に満ちた眼差しで見つめた。
ルイはミフレの問い掛けに対して、少し考えてから口を開いた。