雪人
四階の謁見の間から階段を降りていき、一、二階ホールに辿り着いたルイとクーパ、ベルライズは驚愕した。最初に見た時とは違い、塵一つ無く綺麗に彩られた地面や壁に真っ赤な絨毯の景観ががらりと変わり、荒んだ光景に成り果てていた。
赤い絨毯が縦横無尽に裂け、地面から隆起した岩が半壊状態で放置されていて、地面には土砂が散乱しいる。それに、一階に降りるための階段が斜めに傾いていた。 それら全てが戦闘の凄まじさを物語っている。
「城が……」
荒れ果てた光景にベルライズは絶句した。いつも目にしていた綺麗な一、二階ホールの今の有様に言葉が続かない。
「派手に戦ったな」
ルイは、一、二階ホールを眺めながら呆れたように呟いた。それにしてもこれはやり過ぎだろ、とも思っていた。
「なあ、あっちに三人女がいるぜ」
一階の比較的被害が少ない場所で、三人の女性を見つけたクーパが言った。
三人の女性はそれぞれ髪色が違っている。髪が茶色い女性、水色の女性、ブロンドの女性。
ルイとクーパ、ベルライズが傾いている階段を慎重に降りていき、三人の女性の許まで地面に散乱した石や土砂を気を付けながら歩いていった。クーパだけがスコップで自分が前を歩いていく場所の残骸を退けていく。
砂利を踏む足音に気付いた水色の髪の女性――エレミールが苦笑してルイを見た。そしてすぐに愕然として目を見開く。
「る、ルイ、その女の子は?」
エレミールの視線はルイがお姫様抱っこしているレミィ=ミュウル=シィーダリスに注がれている。それに気付いたルイは平然と答えた。
「王女様だ。それより、ちょっと派手にやり過ぎだろ、戦闘」
「アハ、アハハハ、……やっぱり」と乾いた笑い声を出してエレミールがルイの瞳から逃れるように顔を逸らした。表情は引きつっている。
「私がここまで酷くしたわけじゃないわよ。ミフレちゃんとミューレが派手に戦ったのよ、私じゃないわ」
エレミールは弁解を取り繕ろった。なんとか彼女はこの件から無関係とはいえないもの、少し責任を逃れたいらしい。
耳を傾けて聞いていたミフレが非難するように目をエレミールに向けた。
「エミルちゃんせこいぞ! 大体エミルちゃんがミューレに中途半端な攻撃を与えたから、それでミューレがぶちギレてここまで酷くなったんだろ」
ミフレはムッとしたように言った。
赤い絨毯が縦横無尽に裂け、地面から隆起した岩が半壊状態で放置されていて、地面には土砂が散乱しいる。それに、一階に降りるための階段が斜めに傾いていた。 それら全てが戦闘の凄まじさを物語っている。
「城が……」
荒れ果てた光景にベルライズは絶句した。いつも目にしていた綺麗な一、二階ホールの今の有様に言葉が続かない。
「派手に戦ったな」
ルイは、一、二階ホールを眺めながら呆れたように呟いた。それにしてもこれはやり過ぎだろ、とも思っていた。
「なあ、あっちに三人女がいるぜ」
一階の比較的被害が少ない場所で、三人の女性を見つけたクーパが言った。
三人の女性はそれぞれ髪色が違っている。髪が茶色い女性、水色の女性、ブロンドの女性。
ルイとクーパ、ベルライズが傾いている階段を慎重に降りていき、三人の女性の許まで地面に散乱した石や土砂を気を付けながら歩いていった。クーパだけがスコップで自分が前を歩いていく場所の残骸を退けていく。
砂利を踏む足音に気付いた水色の髪の女性――エレミールが苦笑してルイを見た。そしてすぐに愕然として目を見開く。
「る、ルイ、その女の子は?」
エレミールの視線はルイがお姫様抱っこしているレミィ=ミュウル=シィーダリスに注がれている。それに気付いたルイは平然と答えた。
「王女様だ。それより、ちょっと派手にやり過ぎだろ、戦闘」
「アハ、アハハハ、……やっぱり」と乾いた笑い声を出してエレミールがルイの瞳から逃れるように顔を逸らした。表情は引きつっている。
「私がここまで酷くしたわけじゃないわよ。ミフレちゃんとミューレが派手に戦ったのよ、私じゃないわ」
エレミールは弁解を取り繕ろった。なんとか彼女はこの件から無関係とはいえないもの、少し責任を逃れたいらしい。
耳を傾けて聞いていたミフレが非難するように目をエレミールに向けた。
「エミルちゃんせこいぞ! 大体エミルちゃんがミューレに中途半端な攻撃を与えたから、それでミューレがぶちギレてここまで酷くなったんだろ」
ミフレはムッとしたように言った。