雪人
「エレミール、顔真っ赤」
「はぁぅぅ」
ルイに指摘され、改めて自分の顔が真っ赤になっているのに恥ずかしさが込み上げてエレミールは俯く。
それを見たルイは何となくいじめたくなってきたので、俯いているエレミールの両手を頬に添えて顔を上げさせる。両手に暖かい熱が伝わってくる。ここまで真っ赤になるとは、と思いつつエレミールと目を合わせる。 エレミールは頬に手を添えられたことに動転する。それも束の間、カチッとルイと目が合い、口をパクパクさせてこれ以上無いというほど顔を赤に染める。
ルイはエレミールが失神するのではないかと不安になり、手を離した。 エレミールはその手を名残惜しそうな目で見て、ちょっとづつ顔の熱が引いてくる。
「エレミール、大丈夫か?倒れるなよ」
倒れられると困るので一様心配そうな表情でエレミールに声を掛ける。
「うん、大丈夫…」
「そうか、それならよかった。そろそろ宿屋に行こうか」
椅子から立ち上がり、スタスタと声を掛ける暇もなく酒場を出ていってしまった。残されたエレミールはもうと溜め息を吐き、マスターに声を掛ける。
「コーヒーの値段はおいくらですか?」
「ご馳走したことですからお金はいいですよ。それに、ルゲイエを此処から追い出してもらったことですし、感謝してもしきれないですから。この町を代表して町を救っていただいてありがとうございます」
マスターは頭を下げ、感謝の言葉を言う。
エレミールは何故か退治したのは自分じゃないのに照れた笑いを浮かべて言う。
「それじゃあ、ご馳走様」
エレミールは走って酒場から出ていった。
マスターは出ていった姿を見て呟きが漏れる。
「見ていてこちらが恥ずかしい」
マスターの呟きはもちろん聞かれることはなかった。