雪人

 その言葉にエレミールは頷き機嫌が直り食事をしだした。





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 町を出た二人は話し合い、首都グライドアースには正規のルートじゃなく森を越えていくほうが早いと地図を見てわかり、二人は森のなかに入っていったのだ。
 森の中は太陽の光が長い木に遮られ、下まで光が届かないため辺りは薄暗く不気味な感じが漂っている。鬱蒼と茂る草が膝まで覆い、自分の足元が見えない。虫達の鳴き声がこの森にはなく、それを意味するのはここには魔物が生息するということ。魔物が生息する森の特徴には虫や動物などが居なく、暗い場所が当てはまる。そのため、今ルイ達が居るこの場所には魔物が生息している。

「ねぇ、やっぱり戻って普通の道で首都に行かない?」

 生い茂る草に足を取られ、早く進めないためエレミールは眉を寄せうんざりしたように言う。

「却下」

 エレミールの言ったことをルイは一刀両断で切り捨てる。それに、エレミールはむっとしたような表情で食って掛かる。

「ルイは足首まであるスボンだからいいって言えるのよ。でも、私はスカートなの!カサカサ草が当たって気持ち悪いの。わかる?」

「わからないし、そんなスカートなんか着るから悪いんだろ。大体なんで着てきたんだよ?」

「そ、それは…」

 隣を歩いているエレミールに向き、ルイは怪訝な表情で聞く。その問い掛けにくぐもった声でエレミールは視線を所在なさげに漂い、答えかねている。それもそのはず、少しでもルイに見てほしいがために着てきたなんて口が裂けても言えない。答えあぐねていると、遠くから悲鳴が聞こえてきた。
 二人は顔を見合わせ、悲鳴が聞こえたほうへ急いで走っていった。


 二人は悲鳴が聞こえた場所に着くと、腰を抜かして恐怖に染まった顔で涙を流しながら死んだ仲間に視線を向けている男性と、赤い皮膚の色をした4m位の巨大な狼が大きな口から血塗られたダランとした両足を噛み砕いている光景だった。その光景に思わず顔を背けてしまったエレミールはゴリゴリと人間の骨を噛み砕く音に不快感を感じる。ルイはその音に眉を寄せ、目を逸らさず凶悪な狼をじっと見つめる。目を背けてしまったら、狼が襲ってきたときに対処し遅れるといけないからだ。

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