ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
会社で嗅いだ甘い香りが再び香る。

さっきも思ったけど、まるで媚薬のようにわたしの中に入り込んでくるのはなぜだろう?

尖(とが)ったわたしの神経をなだめるようにゆっくりとそれは流れた。


「顔、上げろよ」


絶対に無理!

だけどそう思っているはずなのに素直に従ってしまいそうになるのはなにかの魔法なの?

それでも、わたしは必死にその不思議な力を抑えようとした。


「無理だよ……」

「それって世良課長とそういう関係だから?」


だけど、ヒロくんがそんなことを言うものだから驚いて顔を上げる。

この間からずっとそのことにこだわっていたのはわかっていたけど、いまだにそう思っているなんて。

どうなんだよとヒロくんはわたしの言葉をじっと待っている。


「それは本当に違うの。ちゃんと断るつもりだし」

「「世良の奴……やっぱり手出してたのかよ」


ヒロくんがイライラしはじめた。
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