ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
自己嫌悪でいっぱいだった。

まわりのみんなも注目していた。

どうしてあんなことを言っちゃったんだろう。

わたしにはこれしか取り柄がないのに……

最低、最悪。

自分があまりにも情けなくて……

滲む涙がこれ以上溢れないように必死でこらえていた。

泣いちゃだめ!

こんなところで泣いたら……

だけど必死にこらえればこらえるほど、顔が歪んでいく。

涙が一筋流れてしまうと勢いは止まらなかった。




「ふっ……ぐっ……」


給湯室でこっそりと泣いていた。

なにに対して泣いているんだろう?

それもよくわからずに泣いていた。


そのとき、給湯室の入口に人の気配がして慌てた。


「カホ」


ヒロくんだった。
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