ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
だけどヒロくんはわたしの頭を引き寄せてしまう。


「泣くな」

「そうだよね。会社で泣くなんて社会人失格だよね」


頑張っておどけて見せる。

自分で涙をぬぐって笑顔も作る。

すると、涙をぬぐっていた両手をがしっと捕まえられて、顔を近づけられてしまった。

いつになく潤んだヒロくんの瞳に、反発していた心がすっかりと従順になり、貼り付けていた笑顔がとれて真顔に戻った。


「一人で泣くな」

「……うん」

「頼むから俺の知らないところで、ひとりで頑張ろうとすんな。これは二人の問題なんだから」


この空間だけが緩やかに時間を経過させているよう。

落ち着かなくなる胸の鼓動なのに、呼吸だけはゆっくりと。

すーっと息を吐きながら、陶酔した世界が一瞬だけ見えた気がした。
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